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コラム

ネパールに日本語学校を設立 - TLEOグループによる外国人材採用支援

ここがポイント‐この記事から学べること

1.ネパールに日本語学校を設立

トレッキングが盛んな国・ネパール
ネパールは世界最高峰のエベレストを含めたヒマラヤが特に有名で、ヒマラヤトレッキングのために多くの外国人がネパールを訪れます。実際に、私がネパールを訪れた10月はトレッキングシーズンだったこともあり、空港はトレッキングの服装と装備で身を固めた西洋人やアジア人で非常に混雑していました。
ネパール唯一の国際空港は首都カトマンズにあるトリブヴァン国際空港です。ここから国内線の飛行機で西へ約20分程度の場所にあるバラトプル市に日本語学校を設立しました。

TLEOネパール共生日本語学校

設立した日本語学校の名称は「TLEOネパール共生日本語学校(TLEO Nepal Symbiosis Japanese School)」です。「共生」には、共に支えあって生きるという意味が込められています。
日本語学校はバラトプル市内中心にある新築ビル1フロアを借り切って開校し、校長はかつて日本で日本語を学び、レストランなどで働きながら10年程度日本に在留していたネパール人のMr.Ujjwal pun(プンさん)が務めます。
教室は80名ほど受講可能な広さがありますが、最初は厳選した学生20名~30名程度でスタートし、徐々に受入れ学生数を増やしていく予定です。まだほとんど宣伝等をしていないにもかかわらず、はじめて開いた入学説明会には口コミだけで18名の学生が来られました。
授業料には貸付金・授業料免除制度を採用し、優秀な学生の上位1割は貸付金の返還を不要とするなど、優秀な人材を育成することを第一に考えています。
また、学業に集中できるよう、日本語学校の学生のための寮も完備しました。4階建ての新築アパート1棟を借り上げ、80名程度が入寮可能です。

開校式には横須賀市長が参加

横須賀市とバラトプル市は、2019年10月17日、ネパール人労働者の横須賀市内中小企業への受入れを推進するために必要な相互協力に関する覚書を締結しました(詳細は横須賀市のホームページに掲載されています。)。同覚書を締結するためにバラトプル市を訪れていた上地克明横須賀市長に、同日行われたTLEOネパール共生日本語学校の開校式へ出席いただきました。
TLEOネパール共生日本語学校が横須賀市をはじめとした外国人材の受入れを考えている日本の企業にとって優秀な人材を確保するための一助となれればと願っています。

TLEOネパール共生日本語学校への思いと特色

ネパールには首都カトマンズやバラトプル市をはじめ、多くの日本語学校があり、車での移動中にいくつもの日本語学校を見つけることができます。それだけ、日本への渡航を目指している若者が大勢いるということであり、日本へ向けたエネルギーを感じます。
しかしながら、日本への渡航には送出機関への支払い等のために多額の負担を要している実情があり、日本への在留経験があるネパール人の話を聞くと、そのほとんどが100万円を超える金額の支払いをしています。親戚を含めた親類からの支援や借金などによって資金を用意しなければならないため、それが技能実習生の弱みとなって人権侵害や労働環境の悪化等を招いているなどの指摘もあるところです。
そこでTLEOグループが設立したTLEOネパール共生日本語学校では、出国前から優秀な人材を育てることで、日本企業から選ばれる人材を送り出し、日本での生活や技能実習をより実りあるものにするための土台を築き上げることを目指しています。また、日本への送り出しにあたっては、送出機関への支払いをできる限り低廉に抑え、学生本人や家族の負担を軽減する仕組みを整備し、多くのネパール人にチャンスを得られる環境を整えます。
設立者である千賀修一TLEOグループ代表の思いは、第一に日本人経営の日本語学校である特色を生かして、ネパールの伝統文化を尊重しつつ、日本の風習、文化、伝統をおしえること。第二に本校で学んだ学生は日本に来て一生懸命仕事をするとともに、共生の精神を忘れずに人間的に成長することを期待すること。そして、第三に、上記のとおり学生や家族の負担軽減の仕組みを整備することで、意欲があり優秀なネパール人に広く日本への渡航のチャンスをつくることです。
まだ開校したばかりですが、TLEOネパール共生日本語学校が、ネパールと日本をつなぐ架け橋として、日本企業とネパールの学生の両者にとって喜ばれる学校となれればと願っております。

2.外国人技能実習制度の概要と動向

国際協力を目的とした技能実習制度

技能実習制度の目的・趣旨は、先進国たる日本から発展途上国への技能等の移転による国際協力にあります。技能実習制度自体の始まりは1993年までさかのぼり、それ以前は政府のODAの一環であった技術研修制度が存在していました。1993年に始まった技能実習制度は法律ではなく法務省の告示として創設され、1年間の研修期間を修了した外国人は、さらに1年「技能実習」として日本で働くことができるようになりました(1997年に2年間へ拡大)。
2009年の入管法改正により、在留資格としての「技能実習」が新設され、在留資格「研修」での受入れが在留資格「技能実習1号」へと移行し、2年目以降の受入れが「在留資格2号」へと移行しました。

労働力を確保するシステムとしての機能

技能実習制度は、途上国への技能の移転という国際協力を目的として創設された制度ですが、日本の企業にとっては不足する人材を補填する労働力確保としての意味も持っています。この国際協力という目的と労働力確保機能という実態は必ずしも矛盾するものではありません。技能実習生は、母国への技術移転の担い手であると同時に、日本の産業の現場を支える大切な存在であるといえます。

法令違反の横行

ところが、技能実習生は送り出し機関への支払い等のために多額の借金を負っている場合が多くその立場が弱いことや、途上国出身ゆえに安価な労働力として考える傾向があることなどを背景として、技能実習実施企業による技能実習生への法令違反行為が横行しているという問題がかねてより指摘されていました。厚生労働省によれば、長時間労働や最低賃金違反、安全衛生基準を下回る労働環境など、労働関係法令に違反している企業は、監督指導実施対象事業場の実に7割に及ぶことを公表しています(2016年)。
こうした技能実習制度の問題点は、「制度本来の趣旨に沿った運用が徹底されているとは言い難い現状」(第5次出入国管理計画)として政府において認識され、状況を改善し適正な実施を図るべく、2016年11月に技能実習法が制定され、2017年11月、同法が施行されることとなりました。

技能実習生の数と出身国

技能実習生の人数は、2004年ではおよそ10万人程度であったのが、2008年には約19万人まで倍増しています。そして、2018年10月時点ではさらに伸びて30万人を超え、外国人労働者全体の約2割を占めるに至っています。
かつてはその9割が中国出身でしたが、その割合は徐々に減っていき、2017年にはベトナムがトップに躍り出ました。2番目に中国、3番目にフィリピン、4番目にインドネシア、5番目にタイと続いています(平成30年3月23日厚生労働省「外国人技能実習制度の現状、課題等について」)。
なお、ネパール出身者は技能実習生としての人数はまだまだ少ないですが、日本に在留する外国人全体では6番目に多い国となっています。その多くが日本語学校への留学生として来日していると思われます。

3.技能実習法の施行とコンプライアンスの確保

技能実習法の施行

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)が2016年に成立し、同法は翌2017年11月1日から施行されています。
その正式名称に「技能実習生の保護」という言葉が盛り込まれ、また目的規定(同法1条)にも「技能実習生の保護」がうたわれていることからも、法の指向する方向性が見て取れます。「制度本来の趣旨に沿った運用が徹底されているとは言い難い現状」(第5次出入国管理計画)を反省し、規制を強化して不正行為に対して厳しい処分をすることにより、技能実習制度の適正化が図られます。

不正行為に対するペナルティーの厳格化

技能実習法に基づく技能実習制度の特徴は、なんといっても不正行為に対するペナルティーが非常に重いという点です。入管法や労働関係法規等に違反して刑事処罰を受けた場合や、技能実習法による処分を受けた場合、あるいは役員等の経営者個人が刑事処罰を受けた場合など、技能実習認定の欠格・取消し対象となる事由が広範に定められています。実際に、2017年11月に新たな技能実習制度が始まって以来、既に大手企業を含め何社もの認定取消処分がなされています。

認定取消しを受けた場合の不利益

技能実習認定の取消しを受けた場合、受入れ企業は次のような影響を受けることになります。
1.在籍するすべての技能実習生について実習を継続することができなくなる
2.取消しの日から5年間は新たな技能実習計画の認定が受けられなくなる
3.認定の取消しを受けたことが公示される
認定取消処分は、外国人材の受入れを行っている企業にとって回復不可能な極めて深刻なダメージを与えかねないインパクトを持っています。

終わりに

私は使用者側で労務、労働問題を中心とした法律顧問業務を主に行っていますが、企業様からは外国人にまつわる労務管理や技能実習に関するご相談を受けることが増えています。そうした外国人材の受入れを行っている企業様への要望により一層応えるべく、近年は外国人労務、入管法、技能実習法等の外国人法務分野にも力を入れています。
こうした中で、ネパールでの日本語学校の設立は、法務の枠を超えて、外国人材の採用を進められている企業様へ一層厚みのある支援を可能とするものと信じています。
ネパールの街を歩けば、本当に多くの日本語学校を見つけることができます。ネパールの若者が日本への憧れと期待を抱く一方で、日本自身はそうした国の若者から選ばれる国であり続けなければなりません。技能実習制度の理念に大切にし、技能実習生と受入企業の双方にとって実りある実習が実現されるようお力となって参りたいと思います。

TLEOグループ

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・弁護士法人TLEO虎ノ門法律経済事務所
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【会社】
・株式会社TLEOホールディングス
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・株式会社虎ノ門共同事務所
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2019.12.02 | コラム

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